裏通り某ビル1Fコンビニにて(その3)

※大スカ注意

 土曜日にサークルのバーベキューがあった。しこたま食べて、しこたま飲んだ。
 その反動か、日曜日は惰眠を貪った。月曜日は気怠い体を引きずって大学に行って、講義を受ける。火曜日には少しの体の不調を覚えたけれど、あまり気にしていなかった。
 水曜日になって、明らかに体調が良くないことに気付いた。原因はすぐにわかった。ぽこりと膨らんだ重いお腹。土曜日に山のように食べたのに、その後一度も便通が無い。気怠い中、講義を受けて、体を引きずるように帰宅した。怠さに任せて横になり、重いお腹を擦ってみたけれど、兆候は全くない。トイレに籠って息んでみるけれど、出るのはおしっことガスばかり。お腹に溜まったずっしり重いものは固まってしまったかのように動いてくれなかった。

 そして今日は木曜日。朝起きてもお腹は重いまま。寝起きにトイレに行くのは習慣で、いつもならおしっこだけ済ませるけれど、今日は座ってみる。そうして力を入れてみても、出てくれる様子は全く無い。お腹に力を入れると、夜の間に溜まっていたおしっこがしょろしょろと出るだけだった。
 仕方なく、鞄を持って大学に向かう。動くと重いお腹がずきりと指すように痛む。いつものバスに揺られながら、気分はとても憂鬱だった。

 今日の講義は午前が2つ、午後に1つ。午前の講義を終えて、昼食を食べようかと思ったけれど、食欲がない。水分だけを取って、午後の講義に臨む。
 午後の講義を終えて、いつもならどこかに遊びに行くけれど、今日は真っすぐ帰宅しようとバス停に向かう。途中、バーベキューを一緒にしたサークル仲間に偶然出会った。どこかに遊びに行こうと誘われたけれど、適当な理由を付けて断った。普段なら一緒にカラオケなり買い物なりに行くけれど、今日はとてもじゃないがそんな余裕はなかった。体が重くてだるくて、とにかく横になりたかった。

 バス停には列が出来ていた。その一番後ろに並んで、重いお腹をそっと撫でた。
 立っている事に疲れ始めた頃、バスがやっと到着した。前の人に続いて乗り込んでいく。座りたかったけれど、乗り込んだ時には座席は既に埋まっていて、仕方なく中央やや後ろの辺りで立つことになった。
 座席横の手すりを掴みながら、窓の外に目を向ける。バスはすぐに走り出して、振動に体が揺れる。流れる景色をぼんやりと見つめながら、自然と手がお腹に伸びる。下腹部は石が詰められたかのように重い。刺すような痛みを落ち着かせるように、ズボンの内側で大きく膨らんだ下腹部を撫でる。

 土曜日のバーベキューはとにかくたくさん食べた。段取り上手な奴がいたので、俺は最初の準備を手伝った後、座っているだけで良い具合に焼けた肉や野菜が次々と運ばれてくる状態だった。
 とにかく肉が美味しくて、ビールを片手に次から次に箸を伸ばしていると「野菜も食べなよー」と女子が小言を言う。普段食べてるから良いんだよ、なんて友人と言いながら、腹いっぱいに肉を食べた。
 食べ過ぎて、帰宅してもなかなかお腹が空かず、夕食も軽くお茶漬け程度で済ませたほどだった。
 今思えば、もっと野菜を食べておくべきだったのかもしれない。大学生の一人暮らしの食事なんて、コンビニ弁当やカップ麺ばかりで、普段から野菜不足気味だ。昨日になって流石にこれはまずいと野菜ジュースやヨーグルトなんかを買ってみたけれど、その程度で効果があれば苦労しない。

 お腹が重い。苦しい。はあ、と溜め息が漏れる。さり気なくお腹を撫でながら、最寄りのバス停に辿り着くのをじっと待つ。お腹を撫でていると、ぐるぐるとお腹が音もなく動く。お尻にぐう、と圧が掛かる。おならが出そうな感覚に、お尻に力を入れて必死に堪える。
 こんな密閉空間でおならなんて絶対に出来ない。ふうふうとゆっくり呼吸を繰り返しながら押し寄せる圧に耐えると、ガスが逆流して、お腹がぐるるっと音を立てた。恥ずかしさに顔を伏せる。
 もう嫌だ。体は怠いし、しんどいし、はやくなんとかしたい。お腹を撫でていると、バスはゆっくりとスピードを緩めて停車した。それに合わせて、前の座席の人が立ち上がる。入れ替わるようにその座席に座って、膝の上に鞄を置いた。

 立っているよりは座っている方が少し楽だ。それでも、座るとお腹に重くずっしりと溜まったものを感じる。鞄の陰でお腹を撫でる。そうしていると、まだお腹がぐるぐると動いて、お尻にガスが押し寄せる。うあ、また、おなら出そう。
 出ないように堪えるけれど、痛みが増していって、我慢できない。お尻の穴を抉じ開けるように、ガスがすーっと音もなく抜けていくのがわかった。音は出なかったけれど、つんと鼻に突く臭いを感じる。恥ずかしすぎて、顔が上げられなかった。

 でも、おならが出ると、少しだけお腹が楽になった。はあ、と息を吐いて、鞄の陰でお腹を撫でる。最寄り駅まではまだ距離がある。平日の昼過ぎなのもあってか、道はやや混雑していた。はやく帰りたい。そう思いながら顔を伏せて、重いお腹をそっと撫でる。
 そうしていると、またお腹が動いて、ガスが押し寄せる。我慢しようと思うのに、刺すような痛みが押し寄せて、出したくて出したくてたまらなくなる。我慢できず、出来るだけ音がしないようにそっと力を抜くと、ぷすーっとまたおならが出た。

 そうやって何度も何度もおならを出していると、じわじわとお腹が動くのがわかった。ぐるるる、と音もなく腸が動く感触。固く重くなった塊を運び出そうと腸が蠕動する。お尻にまた圧が押し寄せて、もう何度目かわからないおならを出す。ぷっ、ぷすっと短いおならが繰り返し出た後、突然、ぎゅるるる、とお腹が激しく痛み出した。
 お腹に手を当てたまま、思わず固まっていた。お尻にぐうっと圧が掛かる。先程までとは違う、ずっしりと重い感覚に、さっと血の気が引いた。

 き、た。ずっと待ち望んでいた感覚。でも、流石にタイミングが悪すぎる。バスは混雑した道をゆっくり走り続けていて、まだ最寄りのバス停までは距離がある。我慢、しないと。お腹に手を当てたまま、鈍い痛みをなんとかやり過ごそうと呼吸を繰り返す。お腹は音もなくぐるぐると動き続けていて、何日も溜め込んだ重い塊を出口へ向かって運んでいく。
 お腹を下したときのような切羽詰まる感じではない。でも、じりじりと確実に追い詰められていて、額に冷や汗が滲んだ。お腹が痛い。出したい。体は待ち望んだ感覚に喜んで、はやく出せと疼く。俺だって出したい。でも、今は駄目だ。家までもう少し。ちゃんと我慢しないと。

 はあ、はあと呼吸を繰り返す。お腹が痛い。出したい。お尻の穴を内側から抉じ開けられそうな感覚に、お腹を掛かるように体を丸めて必死に耐える。またおならが出そうで、必死にお尻に力を入れる。でも体は出したくてたまらない。だめだ、我慢、我慢っ……! そう思うのに、お尻の穴はひくひく疼く。
 あ、だ、めっ……! そう思ったけれど、体は言うことを聞かなくて、お尻の穴が開いて、溜まっていたガスを勢いよく噴き出した。
 ぶううっ! と大きな音がバスの車内に鳴り響いた。他の乗客の視線が一斉にこちらに向く。それから逃げようと顔を伏せた。恥ずかしくて、今すぐバスから飛び降りたい気分だった。顔に火が付いたように熱かった。

 そうやってガスを出せば少しは楽になるかと思ったけれど、むしろ便意はどんどん強くなっている。お腹はじんじんと痛くて、重い塊が出口に向かって押し出されているのを嫌というほど感じる。
 そうしていると、またお尻にガスが押し寄せる。さっきみたいにならないように、今度はゆっくりと力を入れて、静かにおならを出す。ぶ、ぶしゅう、と自分にだけ聞こえる音に、更に顔が熱くなった。

 まだ最寄りのバス停までは距離がある。でも、時間と共に便意はどんどん強くなっていて、頭の片隅に嫌な想像が浮かんだ。
 どうしよう、どこか、トイレ。途中下車しようにも、トイレがあるバス停なんて無い。どこも道の端に案内板があるだけで、ベンチがあれば良い方だ。
 バスがゆっくりと停車して、また人が下りていく。窓の外に見えるのは案内板と色褪せたベンチだけ。トイレなんて無いし、付近にトイレを借りられそうなお店も見当たらない。何とか家まで我慢しないと。そう思いながら、ぐるぐると音もなく唸るお腹を必死に宥める。

 今朝までは出したくて出したくてたまらなかったのに、今はそれを我慢しないといけないなんて、ひどすぎるだろう。せめてもう少し早く催していたら大学で済ませられたのに。何をどう考えても、今は家まで我慢するしか手段はない。
 お尻からはぷ、ぷす、とおならが漏れる。そうやってひくひく疼く出口のすぐそこまで、固く重い塊が押し寄せているのがわかった。
 冷や汗が伝う。寒い。ぞわぞわと悪寒が体を走る。トイレ行きたい、はやくトイレ……! バスはゆっくりと走り、外の景色もゆっくりと流れる。トイレが借りられそうな場所なんて見つからない。
 それならせめて早く辿り着いてくれ。そう思うのに、バスはゆっくりとスピードを落として、次のバス停にも停車する。ほぼ各駅停車状態だ。頼むから早く走ってくれ。ぐるぐる唸るお腹を必死に宥めながら、呼吸を繰り返して必死に便意を堪える。

 バスが動き出す。家までもう少し。は、は、と短く息を繰り返して、お腹を撫でる。お腹が痛い、苦しい。うんちが出したくて堪らない。便意は一向に引かず、それどころかどんどん強まっている。それに任せて思いっきり息みたいけれど、絶対に駄目だと理性で本能を押し留める。
 でも、もう本当に限界寸前で、お尻の穴の内側に固いものを感じる。少しでも気を抜くと出てしまいそうで、必死にお尻の穴を締めて我慢する。
 お尻がひくひくする。ぷ、ぷす、と短くおならが出て止まらない。おならを出すお尻の穴が、そのまま大きく開いてしまいそうになる。絶対だめだと必死に我慢するけれど、もう本当に限界だ。トイレ、トイレトイレトイレ、はやくトイレ、うんちしたい、出したいっ……! 全身冷たくて、冷や汗をびっしょりかいていた。

 膨らんだ便意は全然治まらない。ああ、だめ、トイレ、はやくトイレっ……! 車内アナウンスが流れる。次のバス停も最寄りではない。そう思ったとき、お腹がぐるるるる! と激しく唸り、捩れるように動いた。
「う、ぁっ……!」
 破裂しそうな激しい便意に、声が漏れた。ふうふうと呼吸を繰り返して、なんとか落ち着かせようとするけれど、その兆候はなく、それどころか出口に向かって大きく硬い塊が勢いよく運ばれていく。
 だめ、むり、トイレ、もれるっ……! もう我慢しきれなくて、壁のボタンを押していた。ここでこうして座っていたら、大変なことになる。この柔らかなシートをトイレにしてしまいかねない。

 とにかくこの密室から抜け出したかった。すぐに降りられるように定期券を取り出して、鞄の紐と一緒に握る。手が小さく震えていた。
 バスはのろのろ走る。はやく、はやくはやくはやくっ。お尻の穴がひくひく疼く。ぷう、ぷすーっと何度目かわからないおならが漏れる。そのまま、ぐわっと大きく開いてしまいそうになって、咄嗟に座席とお尻の間に手を突っ込む。そのままズボンの上からお尻の穴をぎゅうと押さえた。無理やり塞いで、必死に我慢する。

 ぐりぐりとお尻の穴を押さえながら、もう泣き出したい気分だった。何が悪くてこんな思いをしないといけないのか。もっと食事に気を使うべきだったのか。バーベキューの時、言われた通りに野菜を食べるべきだったのか。後悔は色々浮かぶけれど、今はとにかくトイレに行って、ずっしり溜まった物を出したくてたまらなかった。
 ぷ、ぷす、ぶうっ、と指で塞いだ穴から短いおならが漏れる。うあ、あ、やだ、といれ、うんちしたい、トイレ、なんでも良いからトイレっ……! お尻をぎゅうぎゅうと押さえながら、座席の上で体を揺すって、爆発しそうな便意に必死に抗う。は、はあ、と呼吸を繰り返すことに集中する。気を抜くと、体の求める感覚に合わせて、息んでしまいそうだった。
 バスはスピードを落としていく。まだ完全には停車していなかったけれど、鞄を持って降り口まで近付いた。ゆっくりゆっくりバスが止まって、扉もゆっくり開く。運転手に定期券を見せて、逃げるようにバスを下りた。

 バス停の周りは本当に何もなかった。ベンチすらなく、道の端に案板版がぽつりと立っているだけ。大通り沿いではあるけれど、周りは小さな店か、シャッターが閉まった場所ばかり。トイレが借りられそうな場所は見つからない。
 嘘だろ、と思わず呟いていた。何もないとは思っていたけれど、まさかここまで何もないとは思わなかった。せめてコンビニやファミレスくらいは見えると思っていたのに、それすら見当たらない。
 ぐるるる、とお腹が唸る。ぷす、とお尻からおならが漏れる。ひくひくお尻の穴が疼く。すぐそこまで固いうんちが押し寄せているのが分かった。へっぴり腰になりながら、とにかく道を歩いていく。このまま道沿いに歩いていても仕方ないと、適当な道を曲がってみる。

 どこか、トイレ、何でも良いからトイレ。鞄を握りしめて、腰が引けたまま、そろそろと歩いていく。お尻がひくひく疼く。出したい、出したくて出したくてたまらない。入り込んだのは裏通りのようで、見える限り人がいないのがせめてもの救いだった。
 ぶっ、とお尻から大きな音と共におならが出る。羞恥が込み上げたけれど、今はそれどころじゃなかった。じんじんするお尻の穴をズボンの上から手でぎゅうっと押さえながら、とにかく足を動かす。違う道に入れば何かあるんじゃないかと思ったけれど、裏通りは表以上に何もない。
 色褪せた灰色のビルが左右にずらりと並び、シャッターが閉まっているところが大半だ。これなら先程の道に戻った方が良いんじゃ無いかと思ったけれど、もう余計なことを考えている余裕もなくて、ただただ真っすぐ前に進んでいた。

 足を動かすごとに、お尻からぷ、ぶぅ、と短いおならが出るのが止まらない。うあ、あ、だめ、といれ、うんちしたい、トイレ、トイレぇっ……! 押さえた指の先で、お尻の穴がひくひくしている。ぶうっ、とまたおならが出て、そのまま穴が大きく広がる。そこから固く重いうんちが顔を覗かせて、その感覚に背中に悪寒が走った。だめ、だめだめだめ、だめ、でる、もれる、トイレ、トイレっ……!
 お尻を押さえたまま、お尻を後ろに突き出し、よたよたと前に進む。もう、どこかその辺でしてしまおうか。頭の隅に過った考えがどんどん大きくなっていく。右を見て、左を見て、どこか隠れらそうな場所が無いかと探してしまう。あの影なら。あの隙間なら。

 そうしていると、隠れられそうな場所を見つけた。ビルとビルの隙間。ゴミが積み上げられているけれど、その向こうに入ってしまえば外からは見えない。
 どう、しよう、どうしよう。その場所を見つめたまま、足を止めてしまっていた。もう本当に我慢できない。そこで、してしまおうか。
 ぐるぐるお腹は唸っていて、荒れ狂う便意はもう本当に限界だ。もう、本当に無理。出る、うんちが出る。我慢できない。漏らすくらいなら、いっそ。鞄を握る手が震える。後ろに突き出したお尻が揺れる。自然と足踏みをしてしまう。

 誰もいない、よな。周りを見回す。不気味な程に人の気配はない。ビルの傍に寄って、鞄から手を離す。どさっと音がして、辺りに塵が舞う。片手でぐいぐいとお尻を押さえたまま、反対の手でベルトに手を掛ける。もう一度、辺りを見回して、そこで初めて気が付いた。
 少し先にあるビルの一階。そこだけは周りの灰色に比べて、とてもカラフルで色鮮やかだった。何度も見たことがあるお店。多分、人生で一番お世話になっているお店。コンビニ。
 コンビニならトイレが借りられる。気付いた時には、先程投げ捨てた鞄を握って、そちらに向かって駆け出していた。ぶううっ、とまたおならが漏れる。お腹が痛い。片手で鞄を握りしめて、反対の手でお尻の穴を押さえて、よたよたととにかく前に進む。
 もうちょっと、あと少し。やっと見えた希望に縋りつくように、店へ駆け寄る。入り口の前に立つと、自動ドアがゆっくりと開いた。

 隙間を縫うように中に飛び込む。冷房の効いた空気が冷や汗に濡れた体を冷やして、ぎゅうう、とお腹が痛みを増した。うあ、あ、だめ、でる、うんちでる、でるぅっ……! ひくひくと疼くお尻の穴がゆっくりと開いて、中から歪でごつごつした塊が頭をのぞかせていた。
 咄嗟にお尻を強く押さえて、その塊を押し戻す。トイレ、トイレどこ、はやくトイレっ……! きょろきょろ見回すと、レジにいた男性店員と目が合った。驚いたように丸くした目がじっとこちらを見つめて、それから慌てたように視線が奥を向いた。その視線を辿ると、店の奥にある扉が見えた。
 一声掛けるべきだと思ったけれど、そんな余裕はなかった。お尻を押さえたまま、よたよたと扉へ近付く。ぐるるる、とお腹が唸る。お尻がひくひく疼いて、ぷ、ぷす、とおならが出る。また硬い塊が頭を覗かせて、お尻の穴がじわじわと開いていく。扉に飛びついて、何とか中に飛び込んだ。

 扉の向こうには、また扉があった。横には手洗い場がある。この扉の向こうに待ち望んだトイレがある。荷物から手を離して、扉に手を伸ばす。
 硬く大きなうんちを咥え込んだおしりの穴を無理やり押さえながら、震える反対の手を扉に伸ばす。開けて、中に飛び込もうとしたけれど、扉は開かなかった。
 希望が一気に絶望に塗り替わる。トイレは使用中。中に人がいる。この人が出てくるまで、俺は中に入れない。さあっと血の気が引く。

 ぎゅるるる、とお腹が唸った。日曜日から木曜日まで五日間、溜め込まれたものが出口に向かって押し寄せる。ひくひく疼くお尻の穴がぐわっと開いて、一度は引っ込んだごつごつした塊が頭を覗かせる。あ、あ、だめ、だめだめだめ、でる、うんちでる、でるっ……!
 お尻の穴がくぱくぱと開いては閉じる。手を握りしめて、扉を叩いた。どん、どんっ! とノックの音が響き渡る。はやく、お願いだからはやく出て、もうむり、もう我慢できない、出る、うんち出る、ほんとにむり、でるっ……!

 出てと出るを繰り返しながら、必死に我慢を繰り返す。もう限界はとっくに超えてる。指でぎゅううっと強く押さえて、出てしまいそうなうんちを必死に押し返す。出る、ほんとに出る、うんち、うんちでる、でるぅっ……! ぼこぼことした大きな塊を布越しに感じる。出したい、うんち、お願い、はやく出て、出させて、うんち、でる、もれるっ……!
 震える手でもう一度扉を叩く。頼む、お願いだからはやく、はやくっ……! 硬く大きなうんちがお尻の穴をこじ開けて、大きく広げていく。う、あ、あ、だめ、でる、うんち、うんちでる、お願い、はやく、はやくしてっ、うんちでるから、お願いはやくっ……!

 中から反応はない。もう一度扉を叩こうとして手を持ち上げると、中から水を流す音が聞こえた。それから、がちゃっと鍵の開く音がした。
 開いた。トイレトイレトイレっ、やっとできる、はやく、はやくっ、はやくっ……! 体を揺すって、破裂しそうな便意に必死に抗う。でもそうしていても、もう体は限界で、お尻の穴はゆっくりゆっくりと開いていく。大きく歪なうんちの塊が頭を出していて、指先に触れる。
 あ、あ、あ、だめ、うんち、あっ、ああっ、あっ……! 泣きそうになりながら体を揺する。目の前では、閉じていた扉がゆっくりと開くのが見えた。
 中から出てきた学ランの男の子を押しのけて、中に飛び込む。なんとか鍵を閉めようとしたけれど、手が震えて上手く閉まらない。その間にもお尻の穴はどんどん開いて、ごつごつしたうんちが押し出されていく。
「うあ、あ、あ、あっ…!」
 なんとか鍵を締めて、手をベルトにかける。押さえをなくした出口は欲求に任せて、ぐわっと大きく口を開ける。だめ、でる、でるでるでる、でる、うんちでる、うんち、あ、あ、あっ……!

 ベルトを外して、ズボンと下着を一気に引きずり下ろす。それと同時に洋式トイレに座り込んだ。お尻が生暖かい便座に触れた瞬間、体は勝手に排泄を始めていた。

 みちみちみちみちっ……!

 息む必要もなかった。お尻の穴がぐわっと開いて、ごつごつしたうんちが押し出されていく。数日間体の中に留まっていたものは大きく硬い。ぼこぼことした塊がお尻をゆっくりと通り抜けていく感覚に、背筋がぞくぞくした。
「ん、んんんっ、あ、あ、あぁっ……!」
 太い塊が穴を押し広げる。これ以上ないほどに広げられて、ぴりっとした痛みが走る。苦しいっ、うんち、出したい……! お腹に力を込めると、一番太いところが出て、そのままずるずると太いうんちの塊が外へ飛び出す。そして、ぼちゃぁん! と大きな水音と共に、便器の中に落ちた。
「うあぁっ……!」
 あ、あ、でた、うんち、でたぁっ……! はあ、はあ、と呼吸を繰り返す。爽快感に背筋がぞくりとする。その快感に酔う間もなく、お腹はぐるぐると唸りを上げる。
 くぱくぱと収縮を繰り返すお尻の穴が再びぐわっと押し広げられた。先程よりは柔らかい、でも大きく重いうんちがずるずると出てくる。

「んん、んっ、う、んんっ……!」
 自然とお腹に力を入れていた。今まで全く出なかったのが嘘のように、にゅるにゅるとうんちが出てくる。お尻の穴が広げられて、硬いうんちが擦れる感覚はどこか気持ち良くて、はあ、と熱い溜め息が漏れる。
 うんちは途中で途切れる事なく、またぼちゃん! と大きな水音と共に便器の中に落ちた。これを追いかけるように、ぶううぅっ! と大きなおならの音が響いた。あまりの音に、顔が熱くなる。さっきの学ランの子はもうそこにはいないだろうか。これを聞かれていたら、と想像するだけでも恥ずかしくなる。

 お腹はまだぐるぐると動いている。お尻の穴に、また内側から押し寄せるものを感じて、欲求に任せて力を入れる。するとまたうんちが頭を出す。どれだけ出るんだと自分でも思うけれど、まだお腹には重い感覚が残っている。全部出してすっきりしたい。その思いに任せて、お腹に力が入る。
 ずるずると塊がお尻を通り抜けて、べちゃ、と落ちる音がした。水音はしなかった。一旦呼吸を整えて、また力を入れる。次の塊が通り抜ける。

 それを何度繰り返したか、最後に残ったうんちを出すと、やっとお腹がすっきりしたように感じた。はあはあと呼吸を繰り返しながら、体から力が抜けた。便座に座ったまま、ただぼんやりと空を眺めていた。
 で、でた、全部、でた。惚けていると、体がぶるりと震える。あ、と思うと同時に、おしっこがゆるゆると吹き出して、控えめな水音が個室内に響いた。我慢していたつもりはないのに、おしっこも思ったよりたっぷり出て、ぶるりと身震いした。

 良かった、ちゃんと間に合った。あれだけ重く怠かった体は羽が生えたように軽い。はあ、ともう一度溜め息を吐いてから、のろのろと手をトイレットペーパーに伸ばした。
 紙を手に取り、お尻に伸ばす。お尻の穴はまだひくひくしていて、じいんと痛みにも似た快感が残っていた。何度か拭って、便器の中に紙を捨てる。それから腰を上げて下着を履き直す。
 横目に便器の中を見て、その惨状に息を呑んだ。便器の中いっぱいに溜まった茶色い塊。長い間体に留まっていたからか黒くひび割れた物もあれば、柔らかそうな長い物もある。それらは積み重なり、便器の中いっぱいに詰め込まれていた。
 こんなにお腹に溜まっていたのかと思うと、驚きと同時に羞恥も込み上げる。でもその分、体はすっきりしていて、爽快感が体をいっぱいに満たしていた。

 レバーを捻って、水を流す。流れるか少し不安だったけれど、山積みになったうんちはゆっくりと流されていく。少し待ってからもう一度水を流すと、便器は元のように空っぽになった。
 ズボンを正して、ベルトを締め直す。朝は緩めだったのに、今はいつもの位置で締めることができた。ぽっこり膨らんでいたお腹は今はぺたりと元の大きさを取り戻していた。
 鍵を開けて、外へ出る。手洗い場には誰もおらず、隅に投げ捨てた自分の鞄だけがそこにはあった。手を洗ってハンカチで拭い、鞄を拾いあげる。それからもう一度扉を開けて、店内へ戻った。

 出すものを出したからか、空腹を感じた。そういえば昼食を食べていない。コンビニの店内にはおにぎりやサンドイッチが並んでいて、正直食欲を唆られたけれど、今はそれどころではなかった。
 レジにいる男性店員と目が合う。気怠げな視線の先で、顔が熱くなるのがわかった。お尻を押さえて、もう限界だとわかる姿で店に飛び込んだのを彼には見られている。すっきりした体を恥ずかしさが満たしていく。

 鞄を握りしめて、早足にコンビニから飛び出した。そのまま息が切れるまで走って、苦しくなって足を止める。コンビニからは十分すぎるほどに離れていた。
 息を整えながら道沿いに歩く。とにかく、帰ろう。途中、違うコンビニで昼食を買えば良い。お腹がくるる、と軽く鳴く。先程までとは違う、空腹での唸りだ。何を食べようか考えながら、とりあえずサラダは買おうと決めた。

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初出: 2022年5月8日(pixiv・サイト同時掲載) 掲載:2022年5月8日

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成人済の時々物書きです。 スカ、女攻め萌え。BLよりはNLやGLが好きです。
18歳以上ですか? ここから先は、成人向けの特殊な趣向の小説(女の子、男の子のおもらし等)を掲載しています。